MUKU-DATA   グラナディロ一枚板

あの木材倉庫にあったグラナディロ、どう使われたんだろう・・・と
昨日完成したお宅を見せてもらった。
全体にナチュラルテイストで木がバランス良く使われている室内
障子を介しての光は優しく、白い壁と木の壁面が柔らかな印象。
ランダム巾の一部壁面パネルは楡の突板、
同じ色のトーンの材の中、
紅一点、グラナディロの一枚板は畳間の飾り棚として設えられてあった。
和室といえば渋さや落ちつきのイメージがあるが、
昔からそうした和空間の中にも、例えば床柱など紫檀など使われてきた。
何度か書いたが、大徳寺塔頭の瑞峯院の玄関には大きなブビンガの一枚板が使われている。
大徳寺でブビンガかぁ・・と
なかなか色のある材を渋めの和空間に置くのは難しいと思う。
この差し色がキマル事で、全体の雰囲気は更に渋く良いものに見えてくるのだろう。
心地良い渋い室内を、差し色を入れる事で、更に良く見せる為の手法なのかもしれない。
このグラナディロ、紫檀ではないが、南米紫檀という別名を銘木業界では持っていて
床柱などに昔は良く使われていた材種。
少し紫がかった深みのある赤、
自然な感じで溶け込んでいるように見えた。
そして特筆すべきは、所謂銘木業界的見方でいうところでは良材ではないこと、
割れもあり、傷も多いグラナディロ。
それがかえって現代的和空間では更に良く馴染んでいるように感じた。
床の間という装置が和室から消えつつある中、
一枚の飾り棚を横に流し、草花をいけることで
潤いが与えられ、心が満たされる。
これがいまどきの床の間なのかもしれない。
仮にこの場所に
無傷無欠点で、銘木業界のプロが見ても誰が見ても
垂涎の銘木が使われていたとしたら・・・
きっとそれは
材のみが独り歩きをして、決して魅力的には見えなかったのかと思う。
あの材がこうして使われたんだなぁ・・
しかも畳間の床の間的装置として。。。
何だか嬉しくなった。ありがとうございました。

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